妊活を知ろう

排卵日 妊娠

知っておきたい不妊のこと

監修:石原 理(いしはら おさむ)
埼玉医科大学 産科婦人科学教室 教授(婦人科・生殖医療担当診療部長)/埼玉医科大学総合医療センター 教授

Contents

1.不妊症の定義とは?

不妊症の定義 パートナーと2人で妊活をがんばっても、なかなか妊娠しないことがあります。かつては避妊することなく夫婦生活を2年継続して、赤ちゃんができなかった場合を不妊症といいましたが、いまは晩婚化などの影響もあり、早めに不妊治療を受けるきっかけになってほしいと、日本産科婦人科学会が「1年」に不妊症の定義を変更しました。

2.知っておきたい、不妊症の治療方法。

いくつかのステップで進めていく不妊治療。最初のステップだけで妊娠することもあれば、高度な治療を必要とする場合もあります。まずは不妊症の原因がどこにあるかを検査。女性は卵管の状態、ホルモンの分泌などとても多くの項目を、高温期、低温期など月経周期のさまざまなタイミングで検査を受けます。男性は精子の数や運動率などを調べます。検査で明らかな問題が見つかったときは、必要な治療に移ります。

  • STEP 1「タイミング法」

    検査の後、大きな問題点がなければ、20代など比較的年齢の若いカップルの場合、医師の指導による「タイミング法」で自然妊娠を目指します。排卵日を予測し、妊娠確率の高い日に夫婦生活をもちます。通院して約1年はこの方法をとるのが一般的です。
    ①毎日、基礎体温を測定
    ②排卵日予測検査薬を使用する
    ③超音波検査
    などがタイミングを合わせる助けになります。特に超音波検査による排卵日の特定はタイミング法の精度を上げ、自分で排卵日を予測するよりも、妊娠確率の高い日がわかります。

  • STEP 2排卵誘発法

    タイミング法とあわせて、排卵誘発剤(錠剤または注射)を使うことも可能です。副作用もあるので専門医による適切な管理が必要です。

  • STEP 3人工授精

    STEP1〜2までで妊娠しなければ、人工授精を行います。人工授精は、男性から採取した精子を女性の子宮に注入する治療法です。排卵誘発剤も使って妊娠の確率も高めつつ、人工授精をすることもあります。健康保険適用外。

  • STEP 4体外受精

    人工授精を数回行っても妊娠しない場合、体外受精へ。卵子と精子をいったん体外に取り出して受精させ、受精卵がある程度成長したところで子宮に戻す治療法です。卵管が詰まっている場合、男性側に原因がある不妊、女性の年齢が高いときなどは、より早い段階で体外受精をすることもあります。健康保険適用外で、治療費は高額となりますが、地方自治体から治療費の返還を受けられる可能性があります。

病気が見つかった場合は、治してから不妊治療に。

不妊の原因を探ると、年齢が高い場合は子宮筋腫、若い女性では子宮内膜症などの病気が見つかることがあります。そういった妊娠の妨げとなる病巣を、手術で取り除いたうえで不妊治療を行うケースもあり、手術後はしばらく不妊治療ができなくなります。

3.最新情報を集めて、不妊治療を。

スムーズに不妊治療を進めるなら、まずは情報収集を。厚生労働省のホームページには、不妊による悩みや相談に医師や助産師などの専門家が応える不妊専門相談センター一覧が載っていますので、まずは電話相談してみるのもいいでしょう。
また、インターネットで「男性妊活外来」と検索するといくつかの医療機関がヒットします。婦人科に行くのにためらいのある男性も、安心して受診できるようになっています。

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