妊活を知ろう

排卵日 妊娠

冷えを改善して妊活

監修:石原 理(いしはら おさむ)
埼玉医科大学 産科婦人科学教室 教授(婦人科・生殖医療担当診療部長)/埼玉医科大学総合医療センター 教授

Contents

1.改善したいのは、不妊にもつながる冷え。

昔から「冷えは万病のもと」といわれますが、冷えは妊活の大敵でもあります。体が冷えて血行が滞ると、体内に必要な酸素や栄養素、ホルモンが十分に行き渡らず、妊娠の妨げになる場合があります。子宮や卵巣へのダメージも心配され、生理(月経)周期の乱れ、月経痛などを引き起こす可能性もあります。妊活のためにも、冷え症の人は体を冷やさない工夫をしましょう。できれば体質を改善する努力もしてみて。

2.毎日のお風呂で、体を芯から温めましょう。

冷え症に悩む方に、とくに意識してもらいたいのが入浴です。いつもはシャワーだけという人も、湯船につかる習慣をつけ、体を温めましょう。また、ストレスによる自律神経の乱れも冷えの一因。お風呂で心身ともにリラックスさせましょう。

毎日のお風呂

  • 低温で長時間が効果的

    ぬるめの温度でじっくりと半身浴を。骨盤が温まると血行が良くなり、代謝がアップ。汗がにじみ出るまで、ゆっくり長めに入りましょう。

  • 入浴剤を活用

    温浴効果で体の芯から温まり、血行を促進する入浴剤がおすすめです。毛細血管を拡げて血流を良くするとされる炭酸ガス系、保温作用があるとされる植物系エキス入りのものなどがあります。

カンタン!冷え対策あれこれ

温めアイテム

  • オフィスやリビングに温めアイテムを常備

    腹巻、レッグウォーマー、靴下などを活用。足首や腰回りを温めると全身が温まりやすくなります。

  • 生姜を積極的に摂る

    生姜のしぼり汁にハチミツとお湯を注ぐだけのジンジャーハニーティーが簡単でおいしいのでおすすめ。

3.東洋医学のちからで体を温め、妊活に役立てる。

冷えは漢方や薬膳など、東洋医学の得意分野。漢方や薬膳は、本来もっている体の働きを正常にすることでホルモンの分泌をサポートしたり、冷えによる症状を改善します。そのため妊活中の女性にも役立ちます。

東洋医学の基本、気・血・水を知る

体質改善に役立つのが、東洋医学で大切にされている概念「気(き)・血(けつ) ・水(すい) 」です。これら3つの要素がバランスを保って体の中を巡っているときは健康で、どれかが不足したり、滞ったりした場合は、何かしら不調が現れます。

気(き)・血(けつ) ・水(すい)

  • 気(き)

    気力や元気のもと。活動するためのエネルギー。「気」の流れが乱れると元気がなかったり、イライラするなどの症状が現れる。

  • 血(けつ)

    血液自体とその流れのこと。「血」の巡りが悪くなると、細胞に栄養を与えることができず、手足の冷えが起こる。

  • 水(すい)

    血液以外の体液・水分。「水」が停滞するとむくみが起こる。

冷え症の人は「瘀血」(おけつ)かも?

東洋医学には「瘀血」(おけつ)という概念があります。 「瘀血」とは、血(けつ)の流れがスムーズに行かず、途中で停滞したり途絶えたりしてしまう状態です。 「瘀血」 があると「冷え」が起こります。
「瘀血」は、生理(月経)に関係した不調が表れやすく、例えば月経痛が強い、月経不順がある、月経量が多い、月経周期に一致して頭痛や精神不安を訴えるなどです。このように女性の体にとってさまざまな不調をもたらしますので、早めに対策を立てることが大切です。

● 改善方法

薬膳の知恵を取り入れる

「医食同源(いしょくどうげん)」という言葉があるとおり、中国には昔から「食医」という、食事で体を治療する医師が存在していました。普段口にする肉や野菜にも効果があり、食材一つひとつの特徴を、体質や季節に合わせて取り入れることで、人間が本来持っている免疫力や治癒力を高めるというわけです。
薬膳では、食材の持つ薬効などによって、五つの性質(五性)と五つの味(五味)に分類します。食材の特性を生かして食事を作ると、体によい働きが期待できます。
冷え症の方には、とくに、体を温める「温性」「熱性」「辛味」の食材がおすすめです。

五つの性質(五性)と五つの味(五味)

  • 温性・熱性の食材

    ネギ、タマネギ、ニラ、ショウガ、唐辛子、桃、栗、ナツメ、クルミ、アジ、イワシ、サバ、エビ、羊肉、牛肉、鶏肉など

  • 辛味の食材

    ショウガ・ネギ・コリアンダー・大根・ニラ・唐辛子など辛味のある食材、ミカンの皮・シナモン・フェンネルなど香りが強い食材、調味料は酒。

冷え症に用いる漢方薬

冷え症の改善に役立つとされる漢方薬が、「血(けつ)」や「水(すい)」の巡りを良くして体を温める当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)です。6つの生薬からなり、冷え症はもちろん月経不順、むくみが気になる人に用いられてきました。貧血、疲労、めまいなどにも良いといわれています。
そして、当帰芍薬散に人参をプラスしたのが当帰芍薬散加人参(とうきしゃくやくさんかにんじん)です。こちらは、胃腸が弱く、体力がない人でも飲みやすい漢方薬です。「気(き)」を補う生薬・人参が加えてあることで、体力がない人にとってより良く働き、体を芯から温めます。

その他にもこんな処方があります

  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

    比較的体力がある人に。月経不順、月経異常、のぼせ、めまい、足の冷えなどに。

  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)

    体力中等度以下の人に。月経困難、月経不順、冷え症、虚弱体質などに。

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