世界の妊活パイセン Vol.1 フランス

France

ヴィルジニーさん

妊活パイセン1人目は、フランス北西部・ブルターニュにある町の小学校で教員をしているヴィルジニーさん(40)。2年間の妊活を経て1人目を授かり、現在は2児の母となっています。そんなヴィルジニーさんの妊活にまつわるエピソードやアドバイスを聞いてみました。

フランスでは、妊活でもやはり「食」が大切!

  • ヴィルジニーさん、こんにちは!今日はフランスの妊活についてお話を聞かせてください。

    ヴィルジニーさん

    ボンジュール!はい、何でも聞いてくださいね。

  • それでは早速ですが、フランスにも「妊活」にあたる言葉ってありますか?日本ではここ最近、メディアでもよく使われるようになっているのですが。

    ヴィルジニーさん

    「Essai bébé」、直訳すると「赤ちゃんに挑戦する」という意味合いの言葉があります。祖父母世代にはこうした概念はなかったようなので、最近になって使われ始めた言葉だと思う。でも、一般的なメディアではあまり見ないかもしれないですね。

  • それは少し意外!日本では毎日のように目にします。ヴィルジニーさん自身は、妊活をいつ頃されていたのですか?

    ヴィルジニーさん

    1人目は私が33歳だった時で、妊活は2年間に及びました。1人目を出産して4年後の37歳の時に2人目を授かったのだけど、この時も妊娠するまでに2年弱かかったわね。

  • 妊活期間はそれぞれ、2年ずつだったということですね。その期間中、具体的にどんな取り組みをしていましたか?

    ヴィルジニーさん

    パートナーのダヴィッドと一緒に、不妊外来に通いつつ、できる限り規則正しい生活が送れるよう心がけていました。彼が偏食気味だったこともあって、とくに食べ物には気をつけるようにしていたわ。

  • さすがフランス!やはり食は大切にしているのですね。具体的にどんなものを食べてましたか?

    ヴィルジニーさん

    鉄分を多めに摂ることを心がけて、週1回は赤身肉を食べるようにしていたかな。あとは葉酸の豊富なブロッコリーなどの緑黄色野菜、それから鉄分の吸収を高めるレモン汁が良いと聞いて飲むようにしていたし、大好きだった紅茶を止めて、リラックスしたい時はフランボワーズ(ラズベリー)のハーブティーを飲んでいたわ。

  • ラズベリーリーフはマタニティー・ハーブとしても知られていますね。他にも食事で気をつけていたことはありますか?

    ヴィルジニーさん

    そうそう、乳牛製品の代わりに雌羊のヨーグルトやチーズを取り入れてたわ。あとはクルミやレンズ豆も。私のルーツであるケルト民族の教えで、「雌羊の乳・クルミ・ハチミツ」が妊活に良いというのがあってね。

    ※ヴィルジニーさんの祖先にあたるブルターニュ人はケルト民族をルーツに持つ。

  • ケルトの教えですか、独特で面白いですね!他にもあるんですか?

    ヴィルジニーさん

    「妊娠を望むカップルは、天候に関わらず1日最低10分は外を歩くこと。体に自然のリズムを吸収し、大地のエネルギーを感じること。」というものもあるわよ。私たちも週末によく散歩に出かけていました。

  • 散歩は運動としてもいいですよね。パートナーのダヴィッドさんも何か妊活の取り組みをしていましたか?

    ヴィルジニーさん

    妊活中はお互いによく協力し合ったわ。彼は常に私を気遣ってくれたし、外食する際の栄養バランスには気をつけていたみたい。彼はもともと野菜が苦手で好き嫌いも多かったんだけど、妊活をきっかけに克服したの。あとは、携帯電話をズボンのポケットに入れないようにしていたみたい

    ※ 携帯電話の電磁波が生殖機能(特に男性の)に影響を及ぼすといわれているが、賛否両論がある。

フランスならではの妊活ジンクス、そして、排卵日予測検査薬の存在は…?

  • とても協力的なパートナーで素敵ですね! 日本でも男性の妊活が最近話題になっています。不妊外来には2人で通っていたのですか?

    ヴィルジニーさん

    ええ、2人で通いました。フランスでは、保険制度で不妊治療費がサポートされることもあって、予約は数ヵ月待ちになるのが普通なの。受診の際に話が進めやすくなるように、基礎体温の記録をつけて準備をしていたわ。

    ※セキュリテソシアルと呼ばれる社会保険制度により、不妊治療(人工授精6回、体外受精4回が上限)にかかる費用は100%補償される。ただし、年齢制限があり給付を受けられるのは女性が43歳の誕生日の前日まで。定められた回数より多くの不妊治療をする場合や、女性が43歳以上の場合、費用は自己負担となる。

  • 不妊治療がサポートされるなんて素晴らしい! そして、基礎体温はやはり万国共通ですね。日本では最近「排卵日予測検査薬」が手軽に買えるようになったのですが、フランスではどうですか?

    ヴィルジニーさん

    フランスでもとてもポピュラーな妊活アイテムですよ。基礎体温をつけるよりも手軽なので、利用者は多いですね。

  • なるほど。日本でもこれからどんどん広ひろまっていく予感です!他にも、フランスならではの妊活情報はありますか?ジンクスとかもあったら知りたいです。

    ヴィルジニーさん

    ジンクス的なものとしては、ボジョレー地方のサン・リゴーという山のふもとの泉が「女性の生殖機能を促す」というので知られているわね。妊活中の女性達がその水をボトルにつめて持ち帰るという話を聞いたことがあります。

  • 妊活パワースポットのようなところですね。ワインをつくる地域はお水も綺麗そうなイメージ!

「保育ママ」制度など、充実したフランスの育児サポート。オステオパシーが保険の対象になれば完璧!?

  • それでは、ちょっと視点を変えた質問。フランスの働く女性への育児サポートについて教えてください。

    ヴィルジニーさん

    育児サポートは、おおまかに言って2つの制度があるの。まずは保育園、そして保育ママ制度ね。保育園のほうは、税金を申告する際に所得控除の対象になるし、保育ママのほうは補助金がもらえるから、保育費に頭を悩ませなくて済むという点は助かっているわね。

  • 保育ママですか。どんな制度なんですか?

    ヴィルジニーさん

    研修を受けた人が自宅で子どもを預るという制度なの。保育場所となる所が子どもの年齢や人数に応じた広さであるか、環境が整っているかどうかとか審査はあるんだけど。

  • それは画期的ですね!日本では、保育園の数が足りないことが問題になっているので、興味深いです。

    ヴィルジニーさん

    全国にたくさんいて、利用している人も本当に多いわね。フランスでも保育園は決して足りているわけではないから、いい制度だと思う。私達も出産前から保育園の入園準備を始めたり、大変だったもの。

    ※保育ママは、フランスでは1977年に制度化されて現在約31万人いる。

  • なるほど。フランスの育児サポートは充実している印象ですが、もっとこんな制度があったらよかったとか、こんなグッズがあったら欲しいというのはありますか?

    ヴィルジニーさん

    妊娠中にオステオパシーで骨盤の歪みなどを見てもらったのだけど、これは出産時に役立ったと思う。でもオステオパシーは整体と違って、社会保険の対象外なのよね。保険で受けられるようになるともっといいかな。

    ※アメリカ発祥の医療哲学。ラテン語で『骨』を意味するオステオン(osteon)と『病気・治療』を意味するパソス(pathos)に由来する。

  • オステオパシーですか。日本ではあまりなじみがないですね。どんなものですか?

    ヴィルジニーさん

    カイロプラクティックにイメージは近いかもしれない。けれどハードなものではありません。骨だけでなく内臓や神経までトータルでケアして自然治癒力を高める、という考えのものなの。

  • フランスではよく知られた健康法なんですか?

    ヴィルジニーさん

    ええ。女性はもちろん、新生児や子どもの利用も多いの。産道を通って出てきた赤ちゃんは頭蓋骨が柔らかくて、変形していることがあるから、整える治療をするみたい。

  • なるほど!それはフランスならではの習慣かもしれないですね。
    それでは最後に、日本で妊活をしている女性達にメッセージをお願いします!

    ヴィルジニーさん

    1人で頑張りすぎず、パートナーとよく協力してくださいね。妊活中は、周りが次々と親になっていく状況を見るたび、胸が痛んだり、生理が来るたび涙したり…。つらい時期もあったけど、パートナーと助け合って、家族や友人達の励ましに支えられて、乗り越えることができました。

  • 妊活は1人で頑張るんじゃなくて、2人で、みんなで助け合うものですね。

    ヴィルジニーさん

    そうね。そして、いずれやって来る妊娠中の幸福感をイメージしたら、きっと頑張れると思う。

  • ありがとうございました!