排卵日と妊娠の関係って?
監修:石原 理(いしはら おさむ)
埼玉医科大学 産科婦人科学教室 教授(婦人科・生殖医療担当診療部長)/埼玉医科大学総合医療センター 教授
排卵日を知る方法はいくつかあり、自分で簡単に調べることができます。まずはセルフチェックをし、不安な場合は医療機関で検査を受けるようにしましょう。
ホルモンの濃度が検査薬でわかる。最も簡単なセルフチェック方法のひとつ。
脳からの指令により分泌される黄体形成ホルモン(LH)の数値は、排卵が起こる前に一気に上昇します。この上昇をLHサージと呼び、LHサージから約40時間以内に排卵が起こるといわれています。これをとらえて排卵日を約1日前に予測できるのが、排卵日予測検査薬。方法も尿をかけるだけとシンプル。排卵が起こる前、または直後の性交が最も妊娠する可能性が高いため、LHサージをとらえることが、妊娠への近道といえます。
基礎体温は「予測」ではなく、排卵の有無を知る目安に。
基礎体温とは起床直後の体を休めている時の体温をいいます。女性の体に関する重要な情報源となるので、基礎体温測定を習慣化し、体の変化を日々把握しておきましょう。ただし、基礎体温の変化でわかるのは「排卵があった」という事実。排卵日を事前に予測するには、排卵日予測検査薬を並行して使用するのがおすすめです。
排卵が近づいたサインとして。
おりものは月経周期に合わせて分泌されるホルモンの影響を受けるため、常に量や状態が変化します。一般的には、排卵前のおりものは透明で粘り気があり、新鮮な生卵の白身のようになります。このようなおりものが出た場合は排卵が近いサインです。
自分の体の周期を知る目安に。
毎日計測した基礎体温を記録できたり、月経日を入力すると月経周期から排卵日や次回月経予定日を予測してくれるアプリが多くあります。カレンダーで表示されるタイプのアプリは、自分の体で起こる変化が事前に予測でき、体調管理も簡単にできるのでとても便利です。ただし、月経周期がずれた場合は、排卵日の予測もずれている可能性があります。
専門の医療機関での検査。
超音波卵胞計測は専門医療機関で受けることのできる検査方法で、超音波の機械を使って卵巣にある卵胞の大きさを測り排卵日を予測します。卵胞の成長具合を確認してタイミング指導を受けるための確実な方法です。
ただし、人によっては一般的にいわれている排卵に必要なサイズになる前に排卵が起きる場合もあるため、卵胞計測だけで排卵日を予測できないこともあります。