妊活を知ろう
監修:石原 理(いしはら おさむ)
埼玉医科大学 産科婦人科学教室 教授(婦人科・生殖医療担当診療部長)/埼玉医科大学総合医療センター 教授
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食事からの栄養は、言うまでもなく健康的な体づくりの基本。また、不規則な食事時間は、生活リズムを乱し、ホルモンバランスの乱れを引き起こす場合も。毎日の食べ方をほんの少し気をつけることが、妊活につながります。
食事をつくるのを負担に思う日は、無理せずに外食やスーパーのお惣菜を活用するのも手。また、消化吸収に大切な胃液の分泌は、感情に左右されるといわれます。おいしいお店や妊活にいい食べ物を探しながら、食べることそのものを楽しみましょう。
一度にすべてを実行することはむずかしくても、少しずつ意識してみましょう。
生活のリズムを整えるのにも役立つのが、三度の食事時間。できるだけ、毎朝・昼・晩、同じ時間に食事を。
交感神経を活発にし、体を目覚めさせてくれる朝食。エネルギーになるものを摂取するようにします。
必要な1日分の摂取カロリーを三度の食事で満たすように栄養配分を考えます。昼食を多めにするのがベスト。
主食(ご飯・パン・めん類など)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)、副菜(野菜・キノコ・芋・海藻などを使った料理)を多様な食品で組み合わせ、乳製品や果物を追加すれば、バランスの取れた食事になるでしょう。
よく噛むことは、消化・吸収を良くすることにつながります。満腹感も得られるので、食べ過ぎも防げます。
夕食を食べ過ぎると、消化しきれず翌朝の体調不良の原因になるかも。腹八分目の量を心がけます。
就寝前の夜食はガマン。夕食が遅くなったら、スープなどで軽く済ませます。
妊活に役立つといわれる、さまざまな栄養素。もちろん、これだけ摂ればいいということではないので、栄養バランスの取れた食事を基本とした上で意識してみましょう。
● 妊活カップルにおすすめの食品
加熱していないタマネギ、長ネギ、納豆、イワシ、アジ、サバ、サケ、マグロ、キノコ類、海藻類など。お魚好きなカップルなら喜んで摂取できそう。
抗酸化作用の高い食べ物が、卵子や精子の質を向上させるといわれています。ナッツ類やかぼちゃ、アボカド、ほうれん草、サンマ、カツオ、玄米など。
亜鉛を含む食材は、男性ホルモンの合成を促進し、精子の運動率を上げてくれるとされています。牡蠣やホタテ、タラコ、豚レバー、牛肉、卵黄、納豆など。お肉類に入っているのも嬉しいですね。
ナッツやかぼちゃ、ごまなどビタミンEを含む食品を摂りましょう。血流を良くし、生殖機能の働きを強化する働きがあります。
豚肉、ウナギ、緑黄色野菜、玄米などに含まれるビタミンB群は、疲労回復や精力増強につながります。
ほうれん草や菜の花などに含まれるビタミンB群の一種、葉酸がおすすめ。胎児の異常予防につながります。
※上記の食品の効果は、科学的に証明されているわけではありません。参考として取り入れてみてください。
● 普段から摂取したい栄養素
レバーや卵、ひじきなどを摂取し、鉄分を補いましょう。妊活していなくても、ぜひ摂りたい栄養素ですよね。
乳製品や小松菜、小魚などに含まれるカルシウム。骨を丈夫にします。
オレンジなどのフルーツ、ブロッコリーなどでビタミンCを摂取。免疫力を高め、鉄分の吸収も高めます。ほうれん草、かぼちゃ、バター、卵などに含まれるビタミンAにも、免疫力を高める働きがあるそう。
ごぼうや芋類、ひじき、こんにゃくなどに含まれる食物繊維。腸内環境を整えてくれるので、便秘気味の人に。
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